絵本とサンポ

十和田市にある絵本や玩具、珈琲の提供を行う店舗のリノベーションプロジェクトです。
戸建て住宅の道路に面した一室を店舗として改修しています。
店舗としての視認性を確保するため、店舗部分の外装には青森県産の杉板を鎧張りし、出入口には庇を設けています。隣地境界にも目隠しとして青森杉のルーバーを設けることで、木に囲まれた温かみのあるアプローチ空間としています。
室内は、既存の壁をなるべく活かす形で残し、内側に既存の壁とずらすようにシナランバーコアの24ｍｍの壁を立てました。既存の壁と新規の壁の間にできた様々な奥行きの空間は、本棚やキッズコーナー、レストコーナー、トイレ、バックヤードとして活用され、ワンルームの中に空間の抑揚を生んでいます。
棚やベンチ、壁を全て24ｍｍの板で統一して制作することにより、建築と家具が溶け合った軽やかな空間を体験することができます。
「子供が楽しんでいるところを見守りながら親もゆっくりと過ごせるお店」にしたいとの要望から、ベンチを４ヶ所設け、珈琲などゆっくり楽しみながらサンプルの絵本を手に取ったり、子供が遊んでいる様子を眺めながらのんびりした時間を過ごせるようにしました。
店舗中央に面した壁には足元から目線の高さまでの飾り棚を設けています。本に囲まれた空間の中、子供が親の手を借りずに気軽に本を手に取ることもできます。
ワンルームの中に散りばめられた、いつもの本屋とは異なる体験を通して、親子でまた来たいと思える場所になれればと思います。